【専門医からの一言】

数値が基準内だからと安心していませんか?WHO基準では見抜けない「インスリンを出す膵臓の寿命」と、当院の精密GTT(糖負荷試験)により、今、自分の糖尿病の状態が何合目にあるか[こちらの糖尿病専門ページ]で公開しています。


健診の「基準値内」に潜む罠 ― 膵臓が発している沈黙のサイン

検診で血糖が基準値以外だけれど大丈夫だろうかと思われる方は多いです。

糖尿病の診断基準をあげます。

空腹時血糖≧126mg/dl

随時血糖≧200mg/dl

糖尿病に特異的な症状がある(口渇、多尿、多飲)

糖尿病に典型的な網膜症がある

HbA1c ≧ 6.5%(JDS6.1%以上)

しかしながら、この基準は医学的な統計をとるという意味もあり、糖尿病に絶対間違いないというレベルの数値なので、自分の検査値がこれに当てはまらないからと言って、糖尿病ではないと判断するのは誤りです。

なぜかというと、境界型の糖尿病でも、5年間追跡すると10%ぐらい網膜症が発症すると言われています。

簡単な検診では血糖のみ、あるいは血糖とHbAの測定が主流です

GTT(糖負荷試験)は省略されることが多いです。

話を進めます。GTTの診断基準です。

 1時間値 2時間値
糖尿病型126または200
正常110かつ140

これに外れるのが境界型です。

この値をちょっと頭の片隅においてください。

非常にクリアーカットに学会では区分していますが

ガイドラインの注釈には、1時間値180mg以上は顕性糖尿病への移行率が高いとされています。いわゆる境界型のAさん、Bさんです。

左の血糖だけのグラフを見るとたいしたことないと思われます。

しかし、左の自分の膵臓から出ているインスリンのグラフをご覧ください。

赤線のAさんは、高い血糖を抑えようと必死にインスリンを作っている状態です。インスリンのピークは普通30分ですが、膵臓がくたびれて60分ぐらいからやっと加速がかかって出ています。

青線のBさん、血糖はAさんと同じぐらいですが、Aさんより病気はすすんでいます。

まだインスリンが出ていますが、非常に分泌が悪くなっています。たいしたことなさそうに見えますが、膵臓が疲れ果てて、翌年、爆発の状態です。

「Hba1c6%、まだ糖尿じゃないよ、食事と運動して気をつけましょう」といわれていたのが、次の年の検診でHbA10%になってびっくりして来院される方が過去何人もおられました。

放置したまま進んでいくと 下記の図の状態となります。

膵臓が疲弊して、血糖が非常に高い、完全な糖尿病状態です。

インスリンが本当に出なくなると、左のグラフのインスリンの黒線がほぼ平らになります。

 

どうやって調べたらいいのでしょうか? 

血糖と同時にインスリンも測る精密GTT検査が必要となります。

血糖だけでなく、インスリンの流れも知ることができる検査です。

境界型の段階から、食事、運動、軽い薬物の介入を行うと、顕性糖糖尿病の発症率が半分になると言うことが国内外の大規模なスタディから明らかになっています。

血糖は、糖尿病の初期は食後ぐらいしか上がりません。(食後の高血糖)

HbA1c5.6%ぐらいから食後血糖が異常値の140mg以上になることがわかってきており

この段階から、食事、運動療法が必要です。

全く正常な人は、HbA1は5.0%ぐらいです。

また、空腹時血糖106mg以上は、精密GTTが推奨されます。


当院の糖尿病の治療方針(精密血糖測定プログラム)

検診の結果が気になる方は、気楽に、ご相談ください。